子どもたちの笑顔に、やはりホッとする。熊本地震で休校が続いていた熊本県内の学校の一部が再開した。不安も大きいかもしれない。だが、元気よく登校する姿をみるとうれしくなる

 ▼学校再開にあたり、被災のトラウマ(心的外傷)で家が怖くて帰りたがらない子どものために、熊本市子ども発達支援センターが作った絵本がある。タイトルは「やっぱりおうちがいいな」

 ▼車中泊を続けた一家が、自宅に戻ることを決めるが、地震を思い出して怖がり、家に入ろうとしない男の子。安心できるスペースを作ってあげるなど、家族の心配りや声掛けで自宅に戻れるようになるストーリーだ

 ▼読むと自然と勇気が湧いてくる。物が落ちてこないように場所を確保する。安心できるようにおもちゃなど慣れ親しんだものを置く。再度地震が起きた場合の対策と周囲の大人が守ってあげるという安心感を与える大切さを分かりやすく伝えているからだろう

 ▼センターの木村重美所長は「当たり前のことかもしれないが、意外と気づかないこと」と指摘する。子どもにも大人にとっても参考になる被災者ケアのひとつといえる

 ▼自宅での生活を受け入れ、家族一緒に枕を並べて眠った男の子はつぶやく。「やっぱり、おうちがいいな」。一日でも早く多くの人たちがそう思える環境になることを願う。(赤嶺由紀子)