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  • 辺野古海上警備で月200時間超の残業代が支払われず労基署が指導
  • 拘束時間が長く、会社を午前4~5時に出発し午後7~8時ごろ退社
  • 警備会社は「労使で協議」と説明。親会社は国から23億円超で受注

 名護市辺野古沖の新基地建設予定海域で、沖縄防衛局から海上警備業務を請け負っている警備会社マリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)の従業員が月最大200時間以上の残業代が支払われないのは労働基準法違反だとして、沖縄労働基準監督署に訴えを起こしていることが分かった。労基署はマリン社に改善・是正するよう指導した。マリン社は沖縄タイムスの取材に「労使で話し合いをしている。真摯(しんし)に対応している」と話している。(中部報道部・赤嶺由紀子、北部報道部・阿部岳)

フロート沿いを警備するマリンセキュリティーの警備艇=4月30日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沖

 マリン社は、「普天間代替施設建設事業などの適正かつ円滑な実施の確保を目的」にした警備業務を沖縄防衛局から受注しているライジングサンセキュリティーサービス(東京都)の100%子会社。

 従業員らによると、海上での警備業務(日勤)が始まるのは午前8時だが、午前4時半~5時半に沖縄市の会社を出発する前には、録画用ビデオや連絡用携帯電話、ライフジャケットなどの装備品の点検を受け、配置を指示される。会社の車両などで金武や漢那、宜野座、辺野古、汀間の各漁港に向かい、現場の配置ポイントには午前8時に到着し、業務を開始する。

 警備の解除は午後5時で、各漁港には同6~7時ごろに帰港。その後会社に戻り装備品を返却し、報告書を提出すると退社は同7~8時すぎになるという。

 従業員によると求人誌には、日勤で午前8時~午後5時で日給9千円と記載されていて、業務の前後と実質的に業務から解放されない「休憩時間」分の残業代が支払われていないと主張。「会社の指揮監督下にある場合は労働時間に当たり、1日平均5・5時間の残業を強いられているにもかかわらず、残業代が支払われていないのは違法だ」と訴える。

 また、残業代の未払いを会社側に訴えたところ、週5~6日あった仕事が、週2~3日に減らされたこともあったといい「明らかなパワハラだ」と指摘。労基署には、残業代の不払いと仕事を与えないなどの嫌がらせを受けたとして「金銭的不利益・精神的苦痛」を申告した。

 親会社のライジング社は防衛局のシュワブ(2015年)海上警備業務を一般競争入札で落札し、約23億9千万円で契約している。