名護市辺野古沖の新基地建設予定海域で、沖縄防衛局から海上警備業務を請け負っている警備会社マリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)が、健康保険などの社会保険に加入せず、少なくとも月数百万円の保険料を負担していなかったことが従業員の証言で分かった。(中部報道部・赤嶺由紀子、北部報道部・阿部岳)

フロート沿いを警備するマリンセキュリティーの警備艇=4月30日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沖

 従業員らによると、昨年末ごろまで、100人超の従業員の大半が社会保険に未加入だったという。求人誌には「社会保険・雇用保険あり」と書かれているが、実態は希望者が対象だった。

 ある従業員は「給与によって差はあるが社会保険料は労使それぞれ月2万~5万円の負担があり、会社は少なくとも月200万円の負担があったはず。社会的責任を果たしていない」と指摘する。会社側はことしに入って、社会保険の加入手続きをしたという。

 雇用保険では、資格取得日が、採用から最大6カ月以上遅れて加入する事例があった。公共職業安定所によると、本来なら雇用保険の被保険者資格取得日は採用と同じ日付になる。従業員の一人は、会社から通知書を受け取った際に、採用日から遅れた加入日となっていることに気づき、会社側に申請し修正した。ほかの従業員も同様に数カ月の遅れがあったという。

 また、所得税法で給与支払者に発行が義務付けられている源泉徴収票を従業員の「希望制」とし、全員に交付していないことも分かった。従業員らによると、源泉徴収票の発行は、会社が用意する「発行願い」の書面にサインし、提出することが条件となっている。従業員らは「条件付きでの発行は所得税法違反だ」と批判している。

 マリン社は、新基地建設予定海域で警備業務にあたる従業員の残業代を支払っていないとして、沖縄労働基準監督署から指導を受けている。