名護市辺野古の新基地建設に反対する抗議活動で米軍に約8時間、拘束された芥川賞作家の目取真俊さん(55)と、海保の警備活動で転覆した抗議船の所有者の原告2人は12日、米軍や海保の一連の対応が不法行為などに当たるとして、国を相手にそれぞれ損害賠償を求める訴訟を那覇地裁に起こした。原告団が同日、沖縄県庁で会見し発表した。目取真さんは「同じ事が米国人に起きれば国際問題になる。なぜ日本国内で許されるのか」と訴えた。

国へ損害賠償請求した経緯を話す原告の目取真俊さん(右)=12日午後、県庁記者クラブ

 目取真さんの代理人らは、米軍が理由や根拠を示さず基地内に拘束・監禁し、弁護士への連絡を拒絶したことなどは不法行為と指摘。海保が米軍から身柄の引き渡しを受けず放置し、精神的苦痛を受けたとして、日米地位協定に伴う民事特別法や国家賠償法(国賠法)などに基づき慰謝料など60万円を請求した。

 抗議船の代理人は、昨年4月28日に辺野古沖の臨時制限水域付近で抗議活動中、海保の警備活動が原因で船が転覆したと主張。転覆防止など海保が職務上の安全確保や注意義務に反して過剰警備したため船が転覆し、使用できなくなったとして国賠法に基づき、エンジンや整備費用など165万円を求めた。

 目取真さんは4月1日、米軍キャンプ・シュワブ周辺の米軍提供水域内に許可なく入ったとして、刑事特別法違反の疑いで逮捕・送検され、翌2日に釈放された。抗議船の船長の女性は11管区海上保安本部の保安官12人を艦船転覆などの疑いで那覇地検に刑事告訴している。