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  • 沖縄では高級魚のバラハタ、東京では販売自粛対象の「有毒魚」
  • 築地の騒動で「食中毒」が強調され、県内漁師は影響を懸念する
  • 県「大型になるほど有毒率は高く2キロ48センチ以上は避けて」

 沖縄で「ナガジューミーバイ」と呼ばれ、広く食べられている高級魚バラハタ。東京では一転、食中毒を起こす恐れがあるとして販売自粛の指導対象となる「有毒魚」で、築地市場の水産仲卸店で4月に売られた際は、都が即座に注意喚起し全国で盛んに報道された。騒動の影響を心配するのは沖縄の水産業関係者だ。「沖縄の食文化であり、大事な漁師の収入源。食べたら必ず食中毒になるかのような情報発信は一方的だ」と訴える。(社会部・新垣綾子)

魚類食中毒「シガテラ」への注意を促す県のパンフレット

 バラハタによる食中毒は「シガテラ」といい、下痢や嘔吐(おうと)、手足の温度感覚異常、血圧低下が主な症状。シガトキシンという毒成分が多量に蓄積された魚を食べると、数時間から24時間で発症することがある。厚生労働省のホームページでは、死亡例は「極めてまれ」とされる。

 都はシガテラ毒の恐れで販売自粛を指導する魚介類に沖縄名「ミミジャー」のヒメフエダイ、「ガーラ」のカスミアジなども挙げ、職員が市場を巡回チェックしているという。築地で「誤販売」されたバラハタは、中華料理店で客6人に提供され健康被害はなかったが、都は水産業者らを対象に講習会を開くなど、再発防止策を徹底した。

 一方、築地の騒動と同時期に、県内でもバラハタによる男女2人の食中毒が発覚。県生活衛生課は販売した鮮魚店を5日間の営業停止処分にしたが、販売自体は制限していない。

 県水産課によると、県内市場で年間20トンほどが流通し、競り値は1キログラム当たり1500~2千円の高級魚。県漁業協同組合連合会の松川直樹・市場課長は「沖縄では昔から刺し身や煮付けなどで食べられている。販売禁止の法律もないのに、有毒魚と強調されるのは納得いかない」と話す。騒動後、泊魚市場では水揚げが減って高値でも千円程度に。鹿児島県の奄美大島などで取り扱いを中止した漁協もある。

 ただ、食べるにも用心は必要だ。シガテラ毒は2006年以降、県内で毎年1~7件、計44件の発生が報告され、県は今年3月に原因や魚種、症状などを解説したパンフレットを発行。バラハタについては「食物連鎖が関わるため、大型になるほど有毒率が高まる。体重2キログラム以上、全長48センチ以上の個体は避け、症状がみられたら、すぐに医療機関へ」と呼び掛けている。