【郷田まみ通信員】県系移民で遺伝学研究の第一人者、又吉テツジさんが3月12日、この世を去った。

又吉テツジさん

 1951年、14歳で沖縄を発ち、叔父の住むアルゼンチンに移民。戦後の日本を離れ自分の力で未来を切り開くと決意しメンドーサで働きながら勉強にいそしんだ。

 メンドーサのクージョ大学で医学を学び、ロックフェラー財団の奨学金を得てチリの研究所に勤務。生涯を通して遺伝子研究に専念した。2003年に遺伝子学、細胞遺伝学の分野でコネックス賞(各分野で活躍した人に与えられるアルゼンチンの代表的な賞)を受賞している。東京遺伝子細胞学研究所客員研究員、サンマルティン病院遺伝子研究所所長、遺伝分子研究所所長、CEMIC医学教育センター研究員、CEMIC大学教員ほか、さまざまな医療機関で遺伝子研究の振興に努めた。

 「マタ」の愛称で親しまれた又吉さんは、小柄で言葉数も少なめ。アルゼンチンの人々には「典型的な日本人」に映っていたようだ。研究所では部下と師弟関係だけでなく、親子や友人のような良い関係を築いていたという。