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  • 伝統行事に欠かせないかまぼこが10~15%値上げされる見通し
  • 原料のすり身が品薄で4年で43%高騰。人件費や物流費も上昇
  • 中小零細が多い県内の生産者は頭を抱え、値上げに理解を求める

 旧正月などの伝統行事に欠かせないかまぼこが値上げされる見通しだ。原材料の冷凍すり身が品薄で、今年2月には前年上半期比19%高と価格が上昇。包装資材や物流費、人件費なども軒並みコストが値上がりし、生産者の経営を圧迫している。品揃えが豊富な全国の大手メーカーは一部の商品のみの値上げや内容量を減らすことで対策するが、中小零細が多い県内のかまぼこ業者は「これ以上は耐えられない。最低でも5~10%は上げざるを得ない」と頭を抱える。(政経部・川野百合子)

原材料や人件費などの高騰が深刻なカマボコ製品=糸満市内

 県内の16社が加盟する県蒲鉾(かまぼこ)水産加工業協同組合(糸満市、金城球二組合長)は4日、商品値上げの理解を得ようと、生産者が直面する生産コスト高騰の窮状を文書で報道各社に訴えた。値上げの時期や額は各社で決めるが、同組合は約10~15%の値上げが必要と試算する。

 かまぼこはスケトウダラやキントキダイ、エソ、グチなどのすり身が原材料となる。従来は北海道、米国、東南アジアの3地域が産地として原材料を供給してきた。だが、資源の枯渇や操業船の減少などが原因で、5年ほど前から北海道や東南アジアではほとんど取れなくなり、米国のみに頼る状態が続いている。また東南アジアで練り製品の人気が上がり、需要が拡大したことで、品薄になり日本への輸入価格が上昇したことも要因の一つだという。

 同組合の金城太参事によると、2014年に1キロ当たり300円だったが、4年で430円と43・3%上昇した。米国での漁期が9月末には終了するため現在、対日価格の商談中だが、今後も値上げ傾向は続き、高いもので1キロ当たり10~15円ほど上がると想定している。

 金城参事は「沖縄のかまぼこは全国とは違い、すり身を水で薄める加水工程がない。原料の値上がりが直結する上に、塩やでんぷんなどの副資材料費も上昇している」と説明する。

 石垣島かまぼこの社長も務める金城組合長は「各社企業努力を重ねているが、仕入れやギフト用の輸送費の値上げ、人材確保のための人件費高騰などで八重山ではさらに大変な状況だ」と話し、値上げに理解を求めた。