「交通渋滞がひどく、駐車場が不足している」「買いたい物や必要な物が商店街にない」-

那覇の中心市街地における主な開発計画

 那覇市が2013年11月に実施した市民アンケートで国際通りや商店街などを含む那覇市の中心市街地に対する改善点が指摘された。

 中心市街地以外の居住者(327人)に公設市場などへ買い物に行く頻度を尋ねたところ「年1~2回」が約46%でもっとも多く、「まったく行かない」が約30%だった。観光客のための街になりつつあることに懸念を示す意見も多かった。別のアンケートでも市民の約半数が商店街にほとんど足を運んでいないことが明らかになった。

 市によると、平和通りや公設市場を含む中心商店街の通行量は1996年から2014年にかけて31・8%減少。中には50%以上減った通りもあり、深刻だ。

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 商店街関係者は日々の誘客策を模索する一方で、老朽化した建物やアーケード、所有者の高齢化に伴う空き店舗、放置店舗の増加などの難題と向き合う。牧志周辺では来年以降、複数の再開発事業が動きだす。商店街の将来のあり方にも大きな影響を与える大型事業の行方に、関係者は注目している。

 沖縄三越を改装して開業した「HAPiNAHA(ハピナハ)」は2017年6月に閉館し、施設を取り壊した跡地で大規模な再開発計画が予定されている。

 事業の主体となるリウボウホールディングス(那覇市)の糸数剛一社長は「人の“暮らし”のある街、観光客に『ここに住みたい』と思わせるまちづくりが目標」と語る。隣接する那覇タワー跡地など周辺地域も含めた開発になる見込みで、商業施設やホテル、オフィスビルに加え、マンションや福祉施設を併設して「定住者」を増やす開発計画をイメージしている。「新しい街づくりをするときに、沖縄にこだわりすぎないことが県民も観光客も呼び込むポイントになる」と商店街の再興に期待する。

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 「ここ(商店街)には便利さはないが、市場のバイタリティーあふれる人たちと触れ合うことで、寂しさを抱えた人たちの『現代病』を解決できるコミュニティーがある」

 なは市場振興会の新里俊一理事長は商店街を守る意義をこう強調する。

 中心商店街の衰退は、車社会の広がりや郊外型の大型店・チェーン店の進出などを背景に語られることが多い。だが、少子高齢化が進む中、独居老人の見守りや買い物弱者の保護、子育て支援など地域コミュニティーを支える面から、中高年世代の働き手がいて、気軽に声を掛け合う文化のある商店街の役割は今後ますます大きくなることが予想される。

 新里理事長は商店街を「市場が活気づいても、すぐには店舗の売り上げにつながらない、算数では割り切れない場所」と表現する。「それでも、沖縄全体を盛り上げる発信地になれる気概は十分。商店街自らがお客さんのニーズに合わせて進化していく過程に、商店街が担える新たな役割が増えていくはずだ」と語った。(学芸部・座安あきの)