コラーゲンは線維が三重に連なった丈夫で壊れにくいタンパク質です。骨・軟骨・腱(けん)・靭帯・皮膚等の主成分で身体を支えている支持組織で、結合組織とも呼ばれます。コラーゲンが梁(はり)のように表皮を支えて、張りのある肌を形成しているのです。コラーゲンは膠(にかわ)に由来する膠原(こうげん)線維と訳されております。

イラスト・いらすとや

 全身に張りめぐらされている膠原線維に炎症が発生するのが膠原病です。従って従来の肺病とか心臓病とか、特定の臓器の病気ではなく、全身の膠原線維の炎症・変性ですから、独自の臨床症状を表現するのが特徴です。

 膠原病には主なる標的臓器によって、6種類の独立疾患が含まれます。関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎等の総称です。最も広く知れ渡っているのがリウマチで、早期発見、早期治療で治る病気となりつつあります。

 次に話題となるのが、膠原病の代表格である全身性エリテマトーデスで、オオカミが食いちぎったような紅斑(エリテマ)が顔面に浮き出るのが特徴的です。思春期の女性に発症することが多く、就職、結婚の時期と重なり社会生活を送るのにも問題となります。

 臨床症状としては結合組織障害より臓器障害まで進展し、多種多様な表現型を呈し、あたかもモザイク模様を見ているようなものです。モザイクの一片では診断がつきません。経時的にモザイクが集合体となり、基準の臨床像を形成すれば診断がつきます。

 次にこのモザイクの一つ一つを御紹介します。(1)蝶(ちょう)形紅斑(2)円板状紅斑(3)光線過敏症(4)口腔(こうこう)内潰瘍(5)関節炎(6)漿膜(しょうまく)炎(7)腎障害(8)神経障害(9)血液学的異常(10)免疫学的異常(11)抗核抗体-の11項目がアメリカリウマチ協会の診断基準で、4項目を満たせば診断されます。

 治療の第一選択薬は副腎皮質ホルモン剤で、使用量は速効性のあるパルス療法からその後、漸減(ぜんげん)療法まであります。必要なら免疫抑制剤も併用します。(大浦孝 おおうらクリニック理事長)