無精を感じつつ、数年前に知人からいただいたラン鉢をベランダの隅に追いやり、十分な手入れはしていなかった。肉厚の葉が残っていることが気になって処分せずにいたが、数日前思わぬサプライズに目を見張った

 ▼鮮やかな紫色のつぼみがいくつも。無事開花し、植物の生命力に脱帽した。ラン栽培愛好家の先輩に聞くと、生育環境の幅が広い品種で、たまたま環境が適していたのかもしれない、と教えてもらった

 ▼沖縄地方は平年より7日遅く梅雨入りした。憂鬱になりがちなこの時期だが、雨粒を受けたランの花をめでるささやかな楽しみができた

 ▼沖縄気象台によると、ことしの梅雨の特徴は平年より雨が多い見込み。特に5月の雨量が多くなる可能性が高いという。農作物・植物にとって恵みの雨となるのはありがたいが、やはり懸念は災害だ

 ▼余震が続く熊本でも梅雨や台風シーズンに向け、普段より少ない雨でも洪水予報や土砂災害警戒の情報を発信するという。二次災害を防ぐ対策は早すぎることはない

 ▼県内でも大雨のたびに土砂崩れや冠水の被害が出ており、沖縄気象台の担当者は「雨による災害には日ごろから注意してほしい」と話す。自然災害の驚異を目の当たりにしてきた今、あらためて防災意識の共有が必要だと思う。梅雨時期にこそ考える機会にしたい。(赤嶺由紀子)