名護市議会議員選挙は、渡具知武豊市長を支える与党候補と辺野古移設に反対する野党候補が、定数26を分かち合い、与野党同数の結果となった。

 2月の市長選で一敗地にまみれた移設反対派は、ぎりぎりのところで踏ん張ったことになる。

 自治体の首長選挙や議会議員選挙が集中する4年に1度の統一地方選。県内では9日、25市町村(5市5町15村)で一斉に議会議員選挙が行われ、10日開票の竹富町を除き、その日に開票された。

 名護市議選には、公明党の2人を含む与党系17人と野党系14人、野党的立場1人の32人が立候補した。

 公示前の議会構成は与党13人に対し、野党14人。定数が一つ減ったことから26議席を争う選挙となった。

 自民、公明の与党系候補は辺野古に触れることを意識的に避け、米軍再編交付金を活用した給食費や保育料の無償化、経済振興や子育て支援など、生活と直接かかわる身近な課題を前面に掲げた。

 2月の名護市長選と同じように与党側は、辺野古の「争点はずし」によって選挙戦の土俵を自分たちが有利になるように設定したといえる。

 市民の中に「辺野古疲れ」があるのは否定できない。

 ただ、公明党は、安倍政権が支援する渡具知氏に対しては支持する立場だが、辺野古移設に対しては反対の姿勢を堅持している。渡具知市長も賛否を示していない。辺野古反対の声の根強さを示した選挙だと言うべきだろう。

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 名護市議選は、県が辺野古の埋め立て承認を撤回し、工事が止まっている中で行われた選挙だった。

 翁長雄志前知事の急逝や、県の埋め立て撤回が選挙結果にどう影響したかははっきりしない。

 投票率から言えるのは、「辺野古疲れ」だけでなく、「選挙疲れ」や「選択疲れ」が見られることだ。

 市選挙管理委員会の発表によると、投票率は前回2014年を5・36ポイント下回る65・04%で、記録のある1970年以降過去最低だった。

 名護市民は選挙のたびに全国のメディアから注目され、辺野古移設に賛成か反対かを問われてきた。加えて2月の市長選では、外部から支援者が大量に投入された。

 こうした現実に対する拒否反応が投票率に影響を与えた可能性もある。

 投票率は下がったものの、有権者数に占める期日前投票の割合は、逆に前回の28・0%から32・1%に上がった。

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 市長選もそうだったが、企業や業界団体、創価学会による取り組みが期日前投票を押し上げたと思われる。

 この日は名護市のほか、沖縄、宜野湾、南城、石垣の各市でも議会議員選挙が行われた。選挙結果は9月30日の県知事選に影響を与えることになるだろう。

 今年に入って「オール沖縄」勢力は名護、石垣、沖縄の3市長選で連敗した。政府対「オール沖縄」勢力という構図は知事選ではいっそうはっきりするはずだ。それ自体、異様なことである。