「お前、模合ひんぎたな」「ごめん、季節で返すから」。お笑い芸人、スリムクラブのダークなネタが、大爆笑をさらうこの島に生まれ、ご多分に漏れず、季節労働に出かけた。「県外に出ると沖縄がよくわかる」なんて言葉も背中を押した。

「ジーマーミ豆腐」の一場面

 結局、短い県外生活でわかったことは季節でお金はためられないということと、ウチナーンチュが沖縄を客観視するのは難しい、ということ。

 シンガポール生まれの本作は、まさに「客観視」のお手本。恋も夢もやぶれ、傷だらけのシンガポール人ライアンが沖縄に流れ着き、沖縄料理に出会い、再生する。

 ライアンというフィルターを通して描かれる沖縄は、もはや新・沖縄。景色、料理、文化はもちろん、沖縄の女性の包み込むような優しさと芯の強さが生き生きと描かれ、大変勇気づけられる。(桜坂劇場・下地久美子)

桜坂劇場で15日から上映予定