【郷田まみ通信員】日本で生まれた舞踏(Butoh)は、ここアルゼンチンでも広く知られるようになった。アルゼンチン出身、県系二世の我如古マギ(本名我如古・ミゲル・アンヘル)さん率いる舞踏団による舞台が現在ブエノスアイレスで話題を呼んでいる。

県系2世の我如古マギさん率いる舞踏団の舞台=アルゼンチン

 マギさんは1990年代に日本に滞在し、7年にわたり舞踏の第一人者である大野一雄氏とその息子の慶人氏に師事した。

 2004年にフランスで自身の舞踏団を立ち上げ、12年にブエノスアイレスに戻った後、市内のボカ地区に「セントロ・ウタキ」を設立。舞台芸術の研究、交流・発表の場として舞踏の枠を超え、音楽やアート、ビデオアートなどとコラボレーションを行いながら新たな現代舞踊の形を模索する場として開かれている。

 また、自身の持つラテンと沖縄という二つのルーツも彼の踊りに影響を与えている。時には三線と、時にはバンドネオンによるタンゴ演奏とともに踊る。

 現在上演中の「ティントレリア・トウキョウ(洗濯屋・東京)」は、日系移民者の多くが営んだ洗濯業がテーマになっている。マギ本人もまた洗濯屋を営む両親のもとに育った。マギの指揮の下、表現するのはすべて非日系のダンサーたちだが、元々ヨーロッパからの移民で成り立つアルゼンチンという国では広く共感を得る主題である。

 アルゼンチンへの移民の多くが船で到着した港のあるボカという地区を拠点に活動を行う。