勤務する中部支社の受け付け窓口には連日、熊本地震の義援金を持って多くの人が訪れる。小学校の児童会や母親サークル、地域の美化ボランティア団体、模合仲間、企業、個人からさまざまな善意が届く

 ▼あふれんばかりの小銭が入ったずっしりと重い手作り募金箱。いつか何かに役立てようとためていたという活動資金の預金通帳…。それぞれの思いが詰まった支援に頭が下がる

 ▼「ひもじい暮らしで、苦い経験ばかりでね」。先日来社した具志川、美里国民学校から熊本県に学童疎開したメンバーでつくる会の先輩方の話に聞き入った。しもやけ、シラミ、きつい田植えの手伝い。唯一のいい思い出は農家の畑に落ちた柿を取って食べたことだと笑う

 ▼80代の疎開メンバーは、県外にも在住するため、義援金の協力呼び掛けは手紙にした。楽しい記憶こそない土地だが、甚大な被害を受けた現状に思いを寄せずにはいられなかったのだろう

 ▼小学校5、6年という多感な時期に経験した疎開生活。「そんな苦労があったからこそ、今がある。気骨な精神が鍛えられたかな」という言葉が印象的だった

 ▼どんな形やきっかけであれ、被災地に寄り添う気持ちは絶えることはない。紙面で伝えきれていない支援も多くある。その思いをつなぎ伝える大切さをあらためて実感している。(赤嶺由紀子)