一口食べるとピパーツの葉の香りが口に広がり、主張し過ぎない素朴な味に思わずうなずいた。来店4度目に開店間もなくお邪魔し、やっと対面できた売り切れ必至のジューシー。もちろん主役は看板メニューの「八重山そば」。そのあっさりながら豚骨ベースでコクのある味わいは、ジューシーとも相性抜群だ。

素朴な味わいが魅力のジューシーが付いた「八重山そばセット」(600円)

八重山そば処 来夏世の場所

素朴な味わいが魅力のジューシーが付いた「八重山そばセット」(600円) 八重山そば処 来夏世の場所

 「12時に来てもジューシーは食べられないときもあるんですよ」と笑顔で話すのは、店主の内原藤緒さん(41)。数年前に引退した先代の内原スエさん(93)と共に2002年3月にオープンした。ランチタイム前には駐車場から車があふれ、行列ができることもあるほどの人気店だ。

 料理上手でそばがおいしいから-と家族に勧められ、80代で店を始めたスエさんの「家庭の味」が人気の秘密。それを藤緒さんが見よう見まねで覚え、味を引き継いだ。「いろいろおいしいお店もあるけど、変わらない味が大事。シンプルが一番ですよね」

 献立は「八重山そば」の大(550円)、中(450円)、小(350円)と、ジューシー(単品200円)か赤米(同)付きの「八重山そばセット」(600円)のみ。コシのある丸麺は地元の製麺所から仕入れ、具は八重山かまぼこ、細切り豚肉、島ネギ-と八重山そばの定番だ。

 忙しすぎて休めず体調を崩しても店を開けたことがあると苦笑する藤緒さん。「体力が持つか、いつまで続くか心配です」とうれしい悲鳴を上げるが、「おいしい」「毎回来てますよ」と話す客の笑顔を見るのが一番うれしい。

 開放的な空間で味わう家庭的な優しい味を求め、県内外から多くの客が訪れる日々。守り続ける「家庭の味」は「島の味」となり、人々を引き付けている。(八重山支局・新垣玲央)

 【お店データ】石垣市石垣203。営業時間は午前11時~午後2時。定休日は日曜日。約40席。1個室、駐車場あり。電話0980(82)7646。