「あぁーおいしい、生き返る」。暑い日、コップ一杯の冷たい水をグイッと飲む。人の口から入る物で、一番うまいのは水だと思う瞬間である。日常生活に水は切っても切れない

 ▼宮古島市の陸上自衛隊配備計画で、同市地下水審議会学術部会は地下水を汚染する恐れがあり「建設は認めることができない」と市へ報告書を提出。これに下地敏彦市長の指示で市は表現を弱めた形で修正を要求、同部会が拒否したことが明らかになった

 ▼審議会は条例に基づき、設置された。本来なら出された意見は最大限尊重すべきものだ。市長の今回のやり方は、行政のトップとして失格だ

 ▼仮に地下水が汚染されれば、回復するまでに100年以上かかるともいわれる。平たんで川のない宮古島と周辺の島は、飲料水のすべてを地下水に頼っている。水源の保全を第一に考えるのは当然だ

 ▼市は沖縄防衛局が施設配置を修正したため、地下水に影響はなく、審議会はもう開く必要がないとしている。陸自施設建設ありきで手続きを進める構えだが、委員からは「地下水の流れの精査が必要」との声が強い

 ▼宮古住民の命である地下水。汚染は取り返しがつかない。下地市長は、なぜ地下水に影響がないと言えるのか、市民に説明する義務がある。審議会を開かずに結論を急ぐべきではない。(玉寄興也)