沖縄県の大宜味村内17集落のうち、人口が29人(村調べ、4月30日現在)と最も少ない白浜区が、約15年前から「エコツーリズム」に取り組んでいる。週末や夏休みには集落人口の何倍もの来訪者でにぎわう。

合宿にやってきた山内中バスケット部員ら。右端は親川区長、左端は島袋会長=大宜味村

大宜味村白浜

合宿にやってきた山内中バスケット部員ら。右端は親川区長、左端は島袋会長=大宜味村 大宜味村白浜

 8年前、白浜区の第22代区長に就いた親川富成さん(60)。「村内で最も小さい区だが、2年に1回の豊年祭もあります」と笑顔で話す。古民家を活用した「ふるさと体験」なども好評だ。

 戦前、白浜は「渡野喜屋」と呼ばれ、伝馬船の渡し場でにぎわった。戦後に白浜に改称されたという。40代まで村内の観光ホテルで勤務していた親川区長は、ホテル廃業に伴い白浜で自然環境を生かした体験型のキャンプ場を設営。拝所、高台、棚田、トンネルを組み合わせた30分コースを設定した。

 親川区長は「何もないけど面白い、とリピーターが増えたよ。塩屋内海でのカヌーやナイトキャンドルも人気だ」と目を細める。那覇近郊在住白浜郷友会の島袋雄成会長(61)は「集落は小さいけど、結束力はすごい」と自慢げだ。

 5月初旬には沖縄市の山内中女子バスケットボール部が公民館で合宿した。保護者や部員など合わせて約40人を引率した同顧問の波照間徹教諭は3年前から年に2回訪れている。

 以前、白浜集落近くの団地に住み、近隣の中学校に通勤していた。「当時から白浜の良さを感じていた。生徒に自然体験をさせるためには魅力ある集落です」と話す。

 合宿3度目の伊佐愛可さん(同中3年生)は「海もきれいで、山の緑も多い」、喜屋武穂華さん(同)は「沖縄市では味わえない自然体験は考える力が付く感じがします」と満足そうに話した。

 島袋会長は「白浜は観光地ではない。何もないけど沖縄の原風景がある」と魅力を話した。(玉城学通信員)