元海兵隊員で米軍属の男による女性遺体遺棄事件を受け、全軍人・軍属らに出された米軍基地外での飲酒禁止や午前0時以降の外出制限などの「綱紀粛正策」。米軍発表翌日の28日、普段は米兵でごった返す「基地の門前町」は一変し、静けさに包まれていた。主に米軍関係者を相手にする飲食店では一時休業に追い込まれる店舗も。28日夜から翌29日未明にかけて、沖縄市や北谷町を巡った。(社会部・又吉俊充、中部報道部・比嘉太一)

基地外の飲酒禁止を受け、閑散とする沖縄市のゲート通り=28日午後11時41分

 28日午後8時30分、北谷町美浜の繁華街アメリカンビレッジの一角にあるカフェ。食事中だった嘉手納基地所属の20~30代の空軍兵男性2人組は「事件を受けて基地の外では飲めなくなった。この店のビールとピザがお気に入りなんだが」とテーブル上の冷水ピッチャーに目を移した。「事件は本当にひどいと思う。怒っている仲間もいる。一カ月の飲酒規制はしょうがないと思う」と話した。

 米軍人向けの住宅も多い同町砂辺では、飲酒・外出制限期間に合わせた一カ月の一時閉店を決めた飲食店も。30代の女性バーテンダーは「明日から休業。事件はすごくショックであってはいけないことだが、店を開けても意味がない。生活も厳しくなる」と嘆いた。

 外出制限時刻も迫った午後11時30分、深夜の沖縄市のコザゲート通り。週末は酒に酔った米兵らが歩道にあふれかえるが、ネオンの光だけが輝き、人通りは少なくほとんどの飲食店が閑散としていた。

 客引きをしていたダンスクラブの女性店員は「事件があって米兵は店内にも1人もいない。こんな静かな通りは見たことがない」と話す。

 70代のタクシー運転手は「普段は米兵・軍属専用タのタクシーが約700台あるが、規制で米兵が全く乗らなくなった」と営業への影響を危惧する。

 外出規制時間に入った翌29日午前1時。北谷町美浜では憲兵隊員ら5人が二手に分かれて巡回の目を光らせていた。コンビニ前で憲兵隊に米兵かどうか確認された米国人男性(29)は「俺は民間人なのに、『基地に戻れ』とか言われたよ。迷惑だ」といらいらした様子で話した。憲兵隊の1人は「何も話せません」と取材を遮った。