「忖度(そんたく)の『そ』の字もない番組を作りたかった」。優れた放送番組やCMなどを顕彰するギャラクシー賞の授賞式が2日都内であった。その中である受賞者のコメントに、会場がわいた

▼「解散の『か』の字も考えていない」。ここ最近はやり文句のように繰り返し伝えられていた政界のフレーズを、皮肉たっぷりにもじったのが冒頭のコメントである

▼放送界への監督権を振りかざす政権側を意識してか、政治が過敏となるようなテーマにテレビ側が及び腰との認識が広がっている。それだけに政権の意向を気にしない番組づくりへの気概が示されたことに、会場の賛同が示されたようであった

▼テレビ部門大賞は、テレビ朝日の報道ステーションの二つの特集であった。「アベノミクス」と「憲法改正」をテーマにし後者では、ヒトラーがワイマール憲法下で合法的に独裁政権を構築した経緯をリポート、現在の改憲の動きを照射した

▼視聴者から好評だったという。スタッフは「放送界は窮屈になりつつある」と現状への危機感を隠さず、だが「受賞はこういう番組作りを続ける励みになる」と奮起をみせた

▼テレビは報じるべきを報じているのか-。疑念を拭い去るには、果敢な努力が必要となろう。現場の気概が詰まった報道番組をもっと見たい。会場出るとき心は躍っていた。(宮城栄作)