【国頭】正月やアブシバレーなどの行事に欠かせないのが豚肉と豚の血を使った料理、血イリチー。村奥間の名人、小川幸基さん(92)の腕前は「おいしい」「昔の暮らしを思い出す」と評判だ。小川さんは「昔からの食生活を大切にしてほしい」と話す。

血イリチーを作る小川さん(右)と枝川さん=国頭村奥間公民館

 作り方は50年前に先輩から教わった。一度煮た豚肉を細切れにして煮炊き、固まった血を入れて混ぜる。しょうゆなどで味付けして、最後にヨモギやネギを入れる。

 今は昔のように家庭や班、集落で、豚を解体することはなくなった。

 沖縄の食文化の危機に長男の善溢(よしみつ)さん(69)や同区の枝川克己さん(75)が一念発起、後継者を目指している。枝川さんは「昔ながらの食文化、豊かな農村の食生活を継承したい」と語る。

 今となっては血イリチー料理にありつけるのは村社の「土帝君」、「金剛山」の祭りや区の老人会、新年会などに限られている。桃原区は敬老会に小川さんを講師に招き、好評だったという。(山城正二通信員)