米軍属逮捕後、本島南部の容疑者宅を張り込んだ。古い住宅街だが、注視したその家はリフォームされたばかりに見え、こぎれいだった。

 大雨でずぶぬれになりながら、何とも言えないつらい気持ちになった。

 事件発生後に被害者、容疑者宅に出向くのは、いつも心が重い。「こんな事件、なんで起こったんだ」と思う。駆け出しのころ、被害者の家族から「あなたの仕事も分かるけど、私たちの気持ちも分かってほしい」と投げ掛けられた。容疑者の家族は何を思うのか。今回、容疑者宅の扉が開いたら、記者にどのような言葉が掛けられただろうか。

 凶悪な事件の詳細を紙面で伝えたいと思う。一方で、思いがけず事件に巻き込まれた人たちの気持ちを考えると、やるせなさがつのる。うつむきながら雨に打たれた。(南部報道部・天久仁)