歌手を志して4年前に上京した。女性アーティストのカバー曲を中心に、埼玉や都心の駅前で路上ライブを地道に続けた。優しい歌声と、歌への真摯(しんし)な姿勢が共感を呼び、昨秋、ファンがSNSに投稿した動画が大きな反響を呼んだ。

心のこもった歌声に定評がある玉木さん=11日、横浜市内のライブハウス

 「日々、悩みや疲れを抱える人が、少しでも元気になってもらえるような歌を歌いたい」と、きょうも路上でマイクを握る。 

 歌好きの両親の影響もあり、幼い頃から弟と歌のうまさを競い合った。高校はバレーボールの名門、西原高校へ。守備の要、リベロとして全国大会に出場するなど、バレー漬けの日々を送っていた。一方で歌への思いも抑えられず、文化祭などで自ら志願してステージに上がった。「とにかく私の歌を聴いてほしかった」

 卒業後は県内の芸能事務所に所属して活動を開始。楽器メーカーのオーディションで特別賞に入ると、「もっと可能性を知りたい」と2012年5月に上京した。東京では無名の存在。路上ライブを始めた当初は、立ち止まる人もなく「無力さを痛感した」という。方向性への迷いからライブを中止していたが、現在の事務所に移籍後の15年夏に再開した。「立ち止まってくれる人のために」と心を込めて歌い続けるうち、いつの間にか人の輪ができるようになった。

 11日、横浜のライブハウスでは作詞したバラード「歩幅あわせ」などを熱唱。ほぼ毎回ライブに足を運ぶ男性ファンは「日頃の嫌な事を忘れさせてくれる癒やしの歌声だ」と魅力を語った。

 4月の北谷での凱旋(がいせん)ライブに続き、今月からは「歩幅あわせ」が県内ブライダル会社のCM曲に採用されるなど、活躍の場が広がる。「毎回沖縄に帰るたびに成長していたい。それが応援してくれる人への恩返し」。大きな瞳を輝かせた。(小笠原大介東京通信員)

 たまき・のあ 1992年、中城村生まれ。高校卒業後、歌手活動を開始。上京後は路上ライブを中心に活動する。2015年1月に初シングル「HINA/Stay Apart」でデビュー。ツイッターに投稿された歌唱動画は3万リツイートを記録した。さいたま観光大使も務める。