第24回参院選が22日公示される。沖縄選挙区は、自民公認の現職で沖縄担当相の島尻安伊子氏(51)=公明推薦、無所属新人で元宜野湾市長の伊波洋一氏(64)の事実上の一騎打ちとなる見通しだ。

 両氏は、米軍普天間飛行場の一日も早い閉鎖・返還で一致している。主張が異なるのはその手法だ。

 沖縄タイムスが開いた座談会で、島尻氏は、普天間の固定化はあってはならないとして「名護市辺野古への移設を含めたあらゆる選択肢を排除しない」と説明した。

 伊波氏は、辺野古への新基地建設が負担軽減にはつながらないと指摘し、「国外・県外に移設して閉鎖させる」と訴えた。

 県内のこれまでの選挙では、普天間の危険性除去を強調し、辺野古埋め立ての賛否を曖昧にする「争点隠し」がみられてきた。だが、今回は争点化が避けられない。

 島尻氏は2010年の前回選挙では「県外移設」を公約としていた。その後、有権者への十分な説明もなく辺野古移設に転じた。14年2月の参院予算委員会で「(埋め立て工事に向け)違法な妨害活動を阻止するため、県警や海上保安庁が先んじて対策を取るべきだ」と主張するなど、市民運動を事前に抑え込むよう求める発言もあった。

 現在は、新基地建設に突き進む安倍内閣の一員であり、政権の意向に沿った言動が目立つ。

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 一方の伊波氏は、宜野湾市長を経験し、普天間飛行場の危険性を再三訴えてきた。米本国では離着陸の際の安全を確保するため飛行場内に設定されるクリアゾーン(土地利用禁止区域)が、普天間では民間地にせり出していると指摘。日米両政府は危険性を放置していると追及したが、普天間閉鎖には至っていない。

 今回の選挙は、子育て支援や子どもの貧困、経済振興などの政策も、有権者が一票を行使する判断材料になる。ただ、最大の争点は、やはり「辺野古」だ。沖縄の将来に大きな影響を及ぼす問題であり、鮮明になった対立軸を有権者に丁寧に説明してほしい。

 元米海兵隊員で軍属の暴行殺人事件を受け、島尻氏は「実効性と説得力ある措置として日米地位協定の抜本改定」を政策とした。一方、安倍政権は改定には消極的だ。島尻氏の政策は、閣内不一致に見えるが、どう働き掛けるのかも問いたい。

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 参院定数242の半数の121議席(選挙区73、比例代表48)が争われる今回の参院選。

 全国的には、経済政策アベノミクスの評価や社会保障など国民の暮らしに関わる課題のほか、憲法改正や安全保障関連法の是非が問われる。改憲に前向きな勢力が国会発議に必要な3分の2に議席が達するかも焦点となる。

 選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、18、19歳の約240万人が新しく有権者となる。県内でも約3万5千人が加わる。7月10日の投開票日に向け、各候補者や政党の訴えを吟味してほしい。