那覇市首里にミツバチを飛ばして花壇や公園から集めた「首里王朝蜂蜜」がことし、本格生産に入る。年間の目標生産量は200キロ。NPO法人首里まちづくり研究会(大城裕美理事長)が進めている「首里ミツバチ・花いっぱいプロジェクト」の一環だ。新垣養蜂園(那覇市)と仲村養蜂園(同市)が採蜜を担当し、首里のカフェや菓子店、ホテルなど7店舗でオリジナルスイーツを販売している。首里城では周辺の湧き水の質を守るため除草剤を使っておらず、ミツバチを飼うのに適した環境だという。(政経部・平島夏実)

「首里王朝蜂蜜」をPRするNPO法人首里まちづくり研究会の山城岩夫さん(右)と新垣伝さん=13日、那覇市首里鳥堀町

首里 ミツバチの行動範囲

首里周辺の事業者に採蜜の方法を説明する新垣養蜂園の新垣伝さん(左から3人目)=2015年11月、那覇市首里当蔵町(NPO法人首里まちづくり研究会提供)

「首里王朝蜂蜜」をPRするNPO法人首里まちづくり研究会の山城岩夫さん(右)と新垣伝さん=13日、那覇市首里鳥堀町 首里 ミツバチの行動範囲 首里周辺の事業者に採蜜の方法を説明する新垣養蜂園の新垣伝さん(左から3人目)=2015年11月、那覇市首里当蔵町(NPO法人首里まちづくり研究会提供)

 「首里に年間250万人の観光客が来ても首里城以外は潤わない」「渋滞が増えるだけでいいことがない」-。首里地域の飲食店にはこれまで、観光客が首里城に一極集中することへの経済的な不満があった。それを解消し、収入アップにつなげている。

 プロジェクトは、飲食店経営者だけでなく地域住民の間でも盛り上がりをみせている。花の種を混ぜ込んだ手作りの泥団子(シードボール)を空き地などに置くことで、まちを花いっぱいにしながら蜜源を増やしている。

 琉球王朝時代の首里は、園芸が盛んな“花の都”として冊封使の間でも評判だったという。現存する琉球最古の碑文でも、1427年に龍潭を掘り、周囲に花を植えたことが記録されている。沖縄戦で失われた景観を取り戻し、将来的には地域の子どもたちを巻き込んだ環境学習につなげたい考えだ。ミツバチが生きられるように農薬を使わない農業を提案したり、きれいな湧き水を守ったりする構想も温めている。

 「首里王朝蜂蜜」は、加熱した大瓶(85グラム入り)が1200円、小瓶(50グラム入り)が800円。酵素を残した非加熱の大瓶(85グラム入り)が1500円(いずれも税別)。カフェや菓子店では蜂蜜を添えたアイスクリームや蜂蜜入りバウムクーヘンを楽しめる。問い合わせはNPO法人首里まちづくり研究会、電話098(963)9294(午前9時半~午後6時半)。