【平安名純代・米国特約記者】英経済誌「エコノミスト」は6月25日発売号で、元海兵隊員の米軍属による暴行殺人事件が沖縄の米軍基地への抗議に火をつけたとし、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に影響を与えるとの有識者らの見解を報じた。

 同誌は、約6万5千人が集まった19日の県民大会で、「沖縄人に団結と米兵に撤退を要求するよう訴えた」被害者の父からの手紙が読み上げられたなどと伝え、大規模で熱がこもったものだったと評価した。

 多くの県民が辺野古移設計画を支持しておらず、最新世論調査では反対が84%を占め、県議選でも翁長雄志知事が率いる基地反対派の勢力が多数派を占めたなどと情勢を分析した。

 辺野古の新基地について、オーストラリア国立大学名誉教授のガバン・マコーマック氏は「東アジアで陸・海・空域合わせて最大の軍事拠点となる」と説明。沖縄の防衛能力の強化を狙う安倍晋三首相は新基地を重視しているが、和解案受け入れで工事は中断。新基地反対派にとって好ましい風が吹いているが、政府は来月の選挙後に工事を再開させるとの吉川秀樹氏の見方も伝えた。

 一方で、工事再開は間違いだと主張するマイク・モチヅキ・米ジョージ・ワシントン大学教授は、暴行事件後の基地反対への熱の高まりを指摘し、安倍首相が辺野古を強行すれば他の基地を失う危険を冒すことになるとし、安倍氏は普天間の使用継続を選択するかもしれないとの見解を伝えた。