以前取材した少女が出産したのは中学のとき。将来の不安や裏切った彼氏への怒り。もがいた。それでも、幼い息子の成長を楽しみに定時制高校に合格した

 ▼支えたのはあるNPOのメンバー。遊びたい年ごろ。時には投げやりになる少女に寄り添い、学習や就労支援に根気強く向き合った結果だった

 ▼経済的困窮や若年出産、障がい、一人親、病気などさまざまな理由で子育てに悩む人を支える活動はまさに縁の下の力持ち。弊社の「沖縄こども未来プロジェクト」支援先に選ばれた団体の取り組みもそうだ(本紙27日付)

 ▼「おせっかいかもしれないね」。経済的理由で有償の支援制度を利用できない家庭のサポート活動を長く続ける沖縄市のNPO理事長の與座初美さんは笑う。土日や夜間の急な訪問、公的支援を受けるための段取り、支援先への送り迎え…。昼夜を問わず奔走する姿に頭が下がる

 ▼相談事業では子どもだけでなく、夫婦や親子間など家庭の関係性をひもとく作業に時間をかける。表からはみえにくい課題を引き出す相談こそが支援の鍵を握るからだという

 ▼與座さんの名刺にある別名「かぞくの駅(駅長)」。困った親子の駆け込み乗車を受け止め、支援の切符を手渡し、そっと背中を押す。「本当は支援に頼らず子育てができる社会が理想」。與座さんの思いを共有したい。(赤嶺由紀子)