1881年から83年まで沖縄県令を務めた上杉茂憲さんのひ孫で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授の上杉邦憲さん(73)=旧米沢藩上杉家第17代当主=と、かつて上杉県令の通訳を担い、上杉家の支援を受けて東京に留学した高良次郎さんのひ孫・高良祐之さん(46)らが29日、那覇市内で懇談した。次郎さんが沖縄に戻って以降、交流が途絶えていたといい、約120年ぶりに両家が対面した。

上杉邦憲さん(右から3人目)と対面した(右から)高良祐之さんと父の阮二さん、陸ちゃん、沢子さん=29日、那覇市おもろまちのザ・ナハテラス

 上杉県令は、県政改革や人材育成に力を入れたことが知られており、82年には沖縄自由民権運動の父・謝花昇さんら5人を第1回県費留学生として東京に留学させている。

 両家によると、次郎さんは16歳の時に上杉県令に出会った。上杉県令は次郎さんの「内地で遊学してみたい」との希望を聞き入れ、県令時代には手伝い兼通訳として住み込みで雇い、県令を終えた後は家族らと東京へ連れて行った。

 次郎さんは上杉家の私費留学生として大学に入学。卒業後は沖縄県に就職したが、詳しいことは分かっていない。

 邦憲さんが29日の沖縄政経懇話会21(会長・豊平良孝沖縄タイムス社社長)の講師として来県することになったことから、上杉記念館(米沢市)が仲立ちし、対面が実現した。

 懇談には祐之さん、妻・沢子さん(36)、今月17日に生まれた長男陸ちゃん、父親の阮二さん(78)も参加。お互いが持ち寄った資料を確認しながら、3代前のつながりを振り返った。

 祐之さんは「曽祖父は県令に連れられて大学まで行ったと親戚から聞いていたが、本当だった。会えてうれしい」と喜び、邦憲さんは「人材育成を大切にしていたことがよく分かる。130年前から続くドラマがつながった」と感激。お互いに「次は、やしゃご同士も会わせよう」と盛り上がった。