今年最大の天体ショーといわれるアイソン彗星(すいせい)が徐々に明るさを増してきた

 ▼とはいえ、現時点では3等星程度。肉眼での確認は難しい。昨年の発見当初「史上最も明るくなる」と期待されたほどの輝きを放つには至っていない

 ▼氷や岩石、ちりなどが固まってできている彗星は「汚れた雪だるま」にも例えられる。太陽の熱で放出されたガスやちりが光に反射し、長い尾のように見えるという

 ▼太陽への最接近は29日。「かすめる」と表現されるほど至近距離の通過が予測される。石垣島天文台の宮地竹史所長は「大接近で塊が大きく崩れ、劇的に明るさを増して長い尾を引くかもしれない」と今後に期待を寄せる。最接近の前後数日間は見えづらくなるが、12月上旬に再び姿を現す見込みだ

 ▼午前5~6時ごろ、水平線に近い東の空の火星や土星周辺で見られる可能性が高い。他県より日の出が遅い沖縄では、見つけやすい暗い空で観察できる利点がある。インターネットなどで他の地域のリアルタイム情報を得てから出掛けても間に合うという

 ▼「早起きは三文の徳、になるはず」と宮地所長。二度と回帰せず、暗い宇宙に消えていくとみられるため、観察のチャンスは最初で最後だ。夜明け前、家族や友人と東の空が見渡せる場所に出掛けてみてはどうだろうか。(田嶋正雄)