【堀江剛史通信員】石垣島出身の人気バンド「BEGIN」のブラジルツアー8日から3日間、サンパウロ市など2都市で開かれ、計3300人の観客が沖縄に思いをはせた。2011年の初公演から2年。ボーカルの比嘉栄昇さんの「ただいまブラジル!」のかけ声に会場は一気に盛り上がった。初日のサンパウロ公演には県系人をはじめ、約1500人の聴衆が詰め掛けた。

 「三線の花」で幕が開くと、割れんばかりの大歓声と拍手、指笛が会場にこだました。比嘉さんは「今日集まったみんなは親戚。みんなで楽しもう」と呼び掛け、会場も拍手で応えた。

 メジャーデビュー曲「恋しくて」、最新曲「春にゴンドラ」を熱唱。前回1世らの体験を聞いて生まれた「帰郷」、ブラジル風BBQをテーマにした「シュラスコ」も次々に披露。

 「亡くなった1世の代わりに次世代に向けて歌いたい」と「赤とんぼ」「背くらべ」などの童謡、ブラジルのバンドとのセッションなど多彩なステージとなった。

 ブラジルでも人気のある「島人ぬ宝」ではレキオス芸能同好会、琉球国祭太鼓のメンバーも加わり迫力の演奏を見せ、全20曲の最後は会場一体となったカチャーシーで盛り上がった。

 終演後、ギターの島袋優さんは「熱くて温かくてすごく大きなものを感じた」と笑顔。ピアノの上地等さんも「ブラジルは帰ってきたい場所」と声を弾ませた。

 比嘉さんは「世代を超えて集まってくれたことが一番うれしい。彼らの沖縄への思いがある限り両国の絆は途切れない」と感慨深げに語った。

 2歳で移住、以来沖縄に戻っていない旧具志川村出身の比嘉スミコさん(79)は「彼らの歌から故郷を想像する。すごく良かった」とステージを見つめ、2世で息子のヒロミツさん(47)も「日本語は話せないけどBEGINの歌は大好き。曲から父母の文化を学んでいる」と話した。

 3世の国吉裕治さん(18)は「8年前に『島人ぬ宝』を聴いて以来、ファン。自分のルーツについて考えるようになったきっかけ」と興奮した様子で話した。