米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立て申請に関し、県環境生活部が「事業実施区域の生活や自然環境の保全について不明な点があり、懸念が払拭(ふっしょく)できない」とする意見を県土木建築部に提出した。

 意見では、辺野古沿岸域が県の環境保全指針で「自然環境の厳正な保護を図る区域」であるランク1に評価されていることを挙げる。その上で「絶滅が危惧されるジュゴンが生息する沿岸海域で大規模な埋め立てを行い、生活環境が良好で静穏な地域に米軍飛行場を移設することは環境影響がきわめて大きい」として18項目48件にわたり、防衛省が示した環境保全策の問題点を指摘している。

 埋め立てによる影響として周辺の砂浜の地形が変化することが予測されるとして、ウミガメが利用する砂浜をどう整備し維持するのか「具体的な方法が示されておらず効果の程度が不明」と断じている。

 ジュゴンへの影響については、昨年度の調査で辺野古地先で食み跡が確認されている。埋め立て区域も生息域であり、採食する頻度が少ないことをもって「(生息域が)消失することの影響が少ないとはいえない」としている。

 県は昨年、政府の環境影響評価(アセスメント)の評価書に579件の知事意見を提出し「環境保全は不可能」としていた。今回さらに、多数の疑問点が提示された。国がどう取り繕っても、環境への重大な影響は避けられないということだ。埋め立ての要件を満たしていないと言わざるを得ない。

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 埋め立て土砂に関しては、県外から大量に調達する計画に対し、外来種の混入による、生態系への悪影響を懸念している。名護市長意見でも言及しているように辺野古・大浦湾の海は、世界自然遺産の登録候補地である。外来種が侵入すれば、自然遺産登録にも支障をきたしかねない。

 国は「供給業者に対策を求め、土砂搬入時に定期的に試験して確認する」としているが、意見では、混入防止対策の手法や確認方法が具体的に示されていない、と疑問視している。

 施設供用後の環境保全措置について、国が「米軍と十分調整する」「機会あるごとに要請する」との記述にとどめていることに対し、県の意見は「その実効性に関する担保がない」と鋭く指摘した。日米が合意したオスプレイの運用ルールがすでに有名無実化している現状をみると当然である。

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 政府、自民党本部は県関係の党国会議員や自民党県連に圧力をかけ、県外移設の公約を撤回させるなど、仲井真弘多知事の埋め立て申請承認を得ようと、なりふり構わぬ攻勢をかけている。

 しかし知事は「固定化」について「言葉が出てくること自体、一種の堕落だ。口にする人がいるとすれば無能だ」と強い姿勢をみせている。

 公有水面埋立法では、環境保全が不十分な場合、知事は免許を与えてはならないとしている。これらを踏まえれば、埋め立て申請は却下の結論しか導き出せない。