【宮古島】宮古島市内に伝わる島言葉を次世代に継承しようと、日常的に使われる基本的な単語をインターネット上でデータベース化して紹介する試みが、同市内の有志で進められている。イラストなどを交えながら、子どもたちに分かりやすく、島言葉に親しんでもらうための取り組み。関係者は「子どもたちが宮古の文化を見直し、誇りを持つ契機になればうれしい」と話している。(宮古支局・与儀武秀)

「宮古の島言葉を継承する取り組みを続けたい」と話す「ゆうやなうれ宮古島プロジェクト」の大城裕子さん=宮古島市平良

宮古島キッズネットの宮古の島言葉サイト

「宮古の島言葉を継承する取り組みを続けたい」と話す「ゆうやなうれ宮古島プロジェクト」の大城裕子さん=宮古島市平良 宮古島キッズネットの宮古の島言葉サイト

 宮古の言葉を紹介しているのは子ども向けのウェブサイト「宮古島キッズネット」。宮古の自然や文化などさまざまな問題について情報交換をするホームページを開設する市民組織「ゆうやなうれ宮古島プロジェクト」(大城智オーガナイザー)が運営する。

 運営メンバーの一人で共同オーガナイザーの大城裕子さん(50)は「ささやかだが宮古を知る資料になればと始めた。子どもたちに生まれ育った宮古島に自信と誇りを持ってほしい」と立ち上げの思いを話す。

 日常会話で頻繁に用いられる基本語の中から、家族や人物、体の部分、あいさつ、食べ物など、14ジャンルを分類し、島言葉と共通語を併記。現在、約230語が掲載されている。

 4年前にサイトを開設後、これまで5~6回の更新を繰り返し単語数を増やしてきた。今年1月から11月までのアクセス数は、計約9万回を数えるという。

 校内の童話お話民話大会で、同サイトを活用する狩俣小学校の棚原美由紀教諭は「総合学習の一環で4年前から利用している。分かりやすくコンパクトで子どもたちの反応も良く、言葉や文化を知り宮古の他の事柄に興味を持つきっかけにもなる」と利点を話す。

 だがサイト運営に際しては、収録語彙(ごい)について課題もある。

 平良地区では「ありがとう」を「たんでぃがーたんでぃ」と話すが、池間、西原、佐良浜地区では「すでぃがふー」と言うなど、地域で異なる語彙について「これはどこの言葉?」との反応も寄せられるという。

 大城さんは「学問的には、厳密に地域的分類がされるかもしれないが、人の移動も多く、生活圏も入り乱れた現状では、言葉をより分ける難しさもある。現在は市内の多くの人が聞き、意味が分かるような、大衆的認識度の高い言葉を紹介しているが、地域的な分類は今後の課題」と強調。

 「学校現場や地域行事でも、宮古の言葉を普及継承していこうという機運が高まっている。100年後にも島の言葉が残るように、今後も自分たちの取り組みを続けていきたい」と抱負を話している。