【福田恵子通信員】沖縄国際大学教授の前泊博盛さんが11月、カリフォルニア州やワシントンDCを訪れ、沖縄返還交渉の舞台裏について調査を進めている。琉球政府行政副主席の瀬長浩さんの蔵書や資料、行政文書が約1万冊、同大へ寄贈されたことを契機に「膨大な資料を読み解くためにも、沖縄を取り巻く日米交渉の未解明な部分に光を当てたい」と意気込んでいる。

沖縄返還交渉の舞台裏について米国で調査を進める前泊博盛さん=ロサンゼルス、リ全米日系人博物館前

 ロサンゼルスでは返還交渉時の米大統領だったニクソンの資料館や全米日系人博物館を訪ね、交渉関連の資料を調査。前泊さんは「閲覧した資料のうち重要なカ所が墨字になっており全容を知ることは難しい」とし、資料開示を請求し、検証する考えを示した。

 一方、情報開示がルール化されている米国とは異なり、日本で特定秘密保護法案が論議されていることを挙げ「政府が国民の知る権利を奪う」と危ぐ。「沖縄の基地問題を含め、日米の関係を知るためには、日本では限界がある。遠回りだがアメリカを訪れる必要がある」と米国での調査の意義を語った。

 前泊さんは、今回の返還交渉の調査を含めて「安心安全で経済的に豊かな沖縄県の実現」を目標にして研究しているという。ワシントンDCでは、ニクソン大統領の側近だったキッシンジャー元国務長官へのインタビューも試み、来年以降も米国での調査を実施する計画だ。