ロート製薬(大阪市)と琉球大学医学部は、もともと体内に存在し、各組織に応じた細胞に分化する体性幹細胞の共同研究を始める。病気などで機能が低下した組織の修復効果が期待されている幹細胞の基礎研究や臨床試験などに取り組む。沖縄を研究開発の拠点と位置づけ、3~5年後を目標に医薬品化を進める方針だ。

 同社の山田邦雄会長兼CEOが2日、県庁に川上好久副知事を訪ね、共同研究について報告。「世界的にも最先端の研究で、これからの分野。地域に根ざしたネットワークを持ち、研究に意欲的な琉球大と連携し、先進モデルを構築したい」と強調。沖縄での研究成果を、世界に発信したい考えを示した。

 同社はことし5月に再生医療研究企画部を創設したほか、県内での医療機関などとの窓口として、業務提携していた琉球ステムセル(那覇市)を子会社化するなど、環境を整えてきた。

 県側も幹細胞を使う細胞医療産業の企業誘致・集積に向け、9月補正予算で約8千万円を計上した。本年度内に同産業の拠点化に向けた構想を策定する計画。琉球大医学部内に臨床研究を担う「再生医療・細胞治療センター」(仮称)の設置も進め、産学官で産業化を推進する。

 川上副知事は「バイオ産業分野に布石を打ってきたが、企業と研究機関がそろい、具体的になってきた。良い成果を挙げてほしい」と述べ、今後の産業集積や医療ツーリズムなどへの展開に期待を寄せた。