県内のマンション販売が好調だ。世帯数の伸びに、来年4月の消費増税前の駆け込み需要も重なり、「出せば売れ、在庫がほとんどない」と販売業者はうれしい悲鳴を上げる。一方、一戸建てやアパートの建築需要も旺盛で建築職人が不足し、人件費は高騰。円安による資材高も追い打ちをかけ、建築コストは上昇が続く。年明けから着工する物件の販売価格は上げざるを得ないといい「先行きは楽観できない」と懸念する。(照屋剛志)

県内最高層のリュークスタワー。総戸数も676戸と県内最大級だが、売れ行きは好調で、西棟は入居開始を前に完売した

 新都心おもろまちに、9月に完成した地上30階建ての高級マンション「リュークスタワー」西棟。最高1億3千万円と強気の価格設定にもかかわらず、12月の入居開始を前に全332戸は完売した。2015年完成予定の東棟も売り出した物件の9割以上の契約が済んでいるという。

 幹事社の大和ハウス工業沖縄支店の早坂元伸所長は「販売は4年を計画していたが、こんなに早く売れるとは」と驚く。購入者は県内在住者が55%を占め、予想を10ポイント上回っており「世帯数の増加がベースにある」とみる。

 大京沖縄支店の渡慶次秀樹係長は「県外からの移住者も増えている」と指摘。東日本大震災以降、原子力発電所がなく、地震の少ないイメージの沖縄への移住が増えており、マンションの需要も高まっているという。

 沖縄のマンションを見ずに、東京のモデルルームで購入を即決する顧客もおり、「沖縄ブランドの価値はさらに高まっている」と実感する。

 大京の推計によると、県内マンションの売り出し戸数は年間800戸ほどだが、本年度は10月までに千戸を突破。ただ、売れ行きは好調で完成物件の在庫はほとんど残っていないという。需要の高まりに併せて、販売戸数はさらに増える見通しだ。

 10月の販売戸数は落ち込んだものの、11月から回復しており「年度内は好調が続く」と期待する。

 一方、民間の建築需要に加え、公共予算の増額もあり、建設業界では現場職人の人手不足が顕在化。人員確保の競争で人件費が高騰している。円安で資材価格も上昇しており、建築コストは上がっている。

 マンション販売額の7割は建築経費とされており、コスト上昇分は値上げに直結する。関係者は「消費税引き上げも重なれば最大2割増える可能性もある」とし、来年4月以降の消費の冷え込みを懸念する。