東日本大震災で津波被害が注目される中、県内の建物の弱さを指摘する声が上がっている。建物の強さを計算するときに使う基準「地震地域係数」は、県内は首都圏より3割低い全国最低の0・7だからだ。中村衛・琉大准教授(地震学)は「阪神大震災のように建物が壊れ避難や救助ができない状況も考えるべきだ」と話す。家を建てる人が個別に丈夫になるように係数を高くすればいいが、費用も上がり一筋縄にはいかない。

(小寺陽一郎・我那覇宗貴)

 係数は、過去の地震被害や性質などから1・0~0・7の範囲で国が決める。簡単に言うと、震度6以上の地震でも命を守る、という考え方だが係数0・7の場合、横揺れの力を3割引きで想定することになる。

 根拠は1980年の旧建設省の告示だが、今後29年間に那覇市で震度6以上の揺れがある確率は係数1・0の東京とほとんど同じ24・5%という地震調査委員会の推計もある。中村准教授によると、沖縄は過去の地震記録自体が少ないことや、復帰前に本土より低い建築基準だったため急激な変化を避けた、という見方があるが、はっきりしたことは分からないという。