九州8県で2番目と、県内の住宅地はただでさえ高く、費用と安全性の間で関係者も悩んでいる。

1階部分が駐車場になった「ピロティ形式」の住宅。住宅地代が高く、車社会の沖縄でとくに好まれる=那覇市内

 「車が2台あり、土地代を考えると1階がピロティ以外考えられなかった」。築17年の家に住む那覇市の女性(62)は言う。車社会の沖縄で、1階が駐車場になった「ピロティ形式」の家はなくてはならないが、係数が低いことで造りやすくなっている側面もある。

 建物の構造計算を手掛ける1級建築士の新川清則さん(53)は「費用を抑えて駐車場も確保したい建築主の要望に応えるため、係数0.7で構造計算をすることがほとんど」と説明する。

 高い係数で計算すれば壁の面積が増え、柱や梁(はり)が太くなり、強度は増すが、鉄筋やコンクリートの量も増えて費用がかさむ。新川さんは、建物の規模や形、敷地の条件などによって一概には言えないと断った上で、係数1.0で計算した場合、2階建て住宅の骨組みの工事費は、1~2割増えるとみる。規模の大きい集合住宅で、1階が柱だけのピロティだと3割以上になる。

 費用や設計の変更が出ない範囲であれば、自主的に係数を上げて計算することもあるという新川さんは「安全な建物にするには費用がかかる。内装や設備などを含めて、建築費全体の中でどこに費用を掛けるかは建築主次第」と言う。

 既存の建物で地震に備えるすべとして、山川哲雄・琉大名誉教授は「耐震診断を受けて、わが家の耐震性がどれぐらいかを知ってほしい。診断の結果、補強が必要であれば、構造設計の専門家に依頼を」とアドバイス。耐震診断や補強の費用が高いことにも触れ「県内の一部の自治体で行っている費用の補助を、全自治体でできるようにすべきだ」と話した。