【恩納】第16回日本サンゴ礁学会が12日から4日間、恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開かれる。国内外から200人以上の研究者が集い、サンゴ礁に関わる幅広い研究を発表する。15日には公開シンポジウムで熱帯・亜熱帯沿岸域生物の多様性へのアプローチと課題を考える。OISTのサンゴ研究者、新里宙也大会実行委員長に意義などを聞いた。(聞き手=北部支社・儀間多美子)

「多くの人にサンゴのことを知ってほしい」と呼びかける新里宙也実行委員長=恩納村・沖縄科学技術大学院大学

新里実行委員長に聞く

 -どんな発表があるのか。

 「今夏、沖縄で問題となったサンゴの白化や、地球の温暖化に伴うサンゴ分布の北上、サンゴの効率的な養殖、サンゴと褐虫藻の共生メカニズムなどさまざまな専門知識が集まる」「生物に限らず、サンゴを生かしたエコツーリズムや化石サンゴから分析する海洋汚染の状況など観光や経済、環境問題まで幅広いネットワークで情報を共有する。研究者や行政、企業、NPOなど多分野が集まるユニークな学会だ」

 -沖縄開催の意義は。

 「沖縄の自立経済を支える上でもサンゴ礁は大切な財産であり、重要だ。沖縄では1年おきに開催されるが、今回は初のOIST開催。OISTでは世界で初めてサンゴと褐虫藻の全ゲノム解読も果たし、研究を進めていく上でも非常に喜ばしい」

 -沖縄のサンゴを取り巻く現状は。

 「開発による環境汚染に加え、白化やオニヒトデの食害などで壊滅的に減っている。回復できない場所もあり、楽観視できない状況だ。何より観光立県として、サンゴ礁が消えたら沖縄経済への影響も大きい」

 -保護には何が必要か。

 「われわれ研究者は最先端の技術で研究を進めるが、それだけでは追いつかない。温暖化など地球規模の問題となると別だが、まず県民一人一人の意識向上が一番の近道。沖縄の人がサンゴ礁を宝として誇りに思えるか。その思いがあれば、保護しようという気持ちになるはず」「何も難しいことではない。サンゴが好きだ、きれいだと思えば、ポイ捨てせず、ごみは持ち帰るはず。そんなことでいい。簡単なことの積み重ねから始まると思う」

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 第16回日本サンゴ礁学会公開シンポジウムは15日午後1時からOIST講堂で、入場無料。問い合わせは同大、電話098(966)2389