文部科学省は全国の国公私立の小中高校などを対象とした2012年度の問題行動調査の結果を発表した。

 高校生の不登校について、沖縄県は私立を含め、前年度より増え1476人。千人当たりに換算すると30・6人に上る。全国平均の17・2人を大きく上回り、昨年に続き全国2位だった。中途退学者は、私立を含め902人で前年度に比べ減少したが、退学率は1・9%。全国平均の1・5%を上回り、これも昨年と同じく全国3位だった。

 不登校は病気や経済的な理由を除き、30日以上欠席した児童・生徒のことである。

 中学生、小学生の不登校は減少しているだけに、高校生の現実は深刻に受け止めなければならない。不登校が長引けば退学に至り、ニートや引きこもりにつながる関連性が指摘されているからである。

 ニートは15~34歳で通学や家事もしない若者のことで、割合は沖縄県が全国ワーストとされ、不登校を「ニート予備軍」とみる識者もいる。

 県教育庁によると、不登校のきっかけは本人に関係する要因として「無気力」33・7%、「あそび非行」22・0%、「不安など情緒混乱」7・4%と続く。不登校は本人だけに起因する問題ではない。家庭、学校に関係する要素が絡み合っており、詳細な追跡調査をしてもらいたい。

 不登校、中途退学、休学、原級留置の生徒は、合わせて毎年ほぼ3千人台で推移している。不登校だけを取り上げるのではなく、総合的に取り組む必要がある。

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 不登校を大幅改善した那覇市教委の試みは参考になりそうだ。不登校は11年度に533人(小学校154人、中学校379人)とピークに達した。市教委は全校を対象に週3回だった教育相談支援員を週4回に増やすとともに、教師の共通認識を高めるため、研修会を開催するなどした。

 特筆されるのは「不登校対策リーフレット」を作製し、全教師に配布したことだ。先進地域のノウハウを取り入れ、具体的であるのが特徴だ。教師は常時、持ち歩き、職員室などにも張り出した。

 欠席3日までの対応が鍵を握る。1日目は担任が電話を入れ、状況を確認する。2~3日は担任(教育相談支援員)による家庭訪問、4日目からチームで組織的な対応に移り、その後は関係・専門機関との連携を図る流れだ。

 12年度の不登校は392人(小学校93人、中学校299人)と26・5%も減少した。

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 県教育庁は9月、高校生の「不登校改善計画」を策定した。キーワードは「未然防止・初期対応」と、不登校に陥った生徒への「自立支援」だ。

 「絆づくり」を見据えた「授業づくり」や「集団づくり」で未然防止に力を入れる。初期対応ではチームで対応し、個別指導計画を作成する。

 自立支援では家庭訪問して生徒の状況を見極め、学校・社会復帰に向け、スクールカウンセラーや就学支援員らと連携してケアに当たる。いずれも教職員全体で情報を共有することが前提だ。生徒の立場に立って取り組みを具体化し成果を挙げてもらいたい。