沖縄戦のさなかに米兵が本島海岸で拾って米国へ持ち帰り、今秋、その遺族を通じ68年ぶりに沖縄へ返された沖縄出身の兵士や家族らの写真66枚が、南城市佐敷新里の「カフェ風の里」で展示されている。氏名や住所、撮影年月を記した写真もあり、主催団体は「遺族に返したい」と来場や情報提供を呼び掛けている。

氏名や住所、撮影年月が明記された男性の写真。保存状態が良く鮮明だ

「大正十五年七月大阪玉造リニテ金城道吉兄長子道秀ちやん」と、撮影年や場所が付記された赤ちゃんの写真もある。隣の3人と同じ家族とみられる

氏名や住所、撮影年月が明記された男性の写真。保存状態が良く鮮明だ 「大正十五年七月大阪玉造リニテ金城道吉兄長子道秀ちやん」と、撮影年や場所が付記された赤ちゃんの写真もある。隣の3人と同じ家族とみられる

 米兵が拾ったのは、写真34枚が納められたアルバムとばらの32枚。

 アルバムの写真には「本部村字備瀬 具志堅甚通 大正十三年十一月」と記された軍服姿の男性や、「平良忠次郎君 津波」と書き添えられた男性らが写っている。写真がはがれてなくなった跡と「左 大城真一郎君 字根路銘 大正十四年六月酒保ニテ撮影ス」「前田賢景君」など写っていた人を指すとみられる文字だけが残ったものもある。

 付記のない写真も多数ある。サーターヤーで働くランニングシャツ姿の男性や、ティーサージをかぶって稲わら編みをする女性など、戦前のウチナーンチュの営みを伝えている。

 入場無料。66点は、沖縄への返還を仲介した国際支援NPO「ユニ」(京都市)のホームページでも公開している。協力して写真展を開いた史料保存団体「うる文化協会」の高江洲朝男事務局長(65)は「約90年も前に撮影されて今も鮮明な写真は、沖縄では貴重だと思う。氏名などが記された写真は、ぜひご遺族への返還につなげたい」と話す。問い合わせは高江洲さん、電話090(9599)9586。