県内でアパートや家を建てる人が増え、住宅着工戸数が17年ぶりに2千戸を突破した(9月)。分譲マンションは完成物件の在庫がほとんどない業者もいるほど絶好調だ

 ▼人口や世帯数の増加を基調に、購入者が来年4月からの消費税率アップを前に駆け込んだ。かつては投資目的が目立った県外からも、原発がないという理由で移住先としてのニーズがあるらしい

 ▼民間に加え、一括交付金による建設需要もある。人件費の高い東日本大震災の被災地復興に職人さんたちが流れ、今夏ごろから業界の深刻な人手不足が顕在化した。民間工事の入札不調や工期に間に合わない事態も発生したと聞く

 ▼よく「経済は生き物」というが、2000年初頭の小泉(純一郎)構造改革で公共事業費が縮小傾向に入って以降、縮んできた業界がよもや人手確保のために奔走する日が来ると予想した人は少ないに違いない

 ▼人手不足の筆頭格、型枠工は3年程度の経験を積んで一人前という時間を必要とする。鉄筋工や左官工といった技能職も似たような状況だろう

 ▼長年の構造不況を経験した業界が、どう先行きを見通して、人材育成を図るのか。資材も高騰する中、来年以降はマイホームの夢が遠のいていくのか、那覇空港第2滑走路建設の準備は万端なのか、懸念は尽きない。(与那嶺一枝)