宮古島に定着した外来カメ類の一種ヤエヤマイシガメが、同島固有種で沖縄県指定天然記念物のミヤコサワガニや、同島固有亜種のミヤコヒキガエルなどの希少種を捕食していたことが分かった。NPO法人・海の自然史研究所の藤田喜久代表理事らが日本甲殻類学会大会で発表した。

 調査は今年8~10月に藤田氏と神戸市立須磨海浜水族園の笹井隆秀氏の共同で行われた。ミヤコサワガニが生息している湧き水付近で採集した16個体のヤエヤマイシガメを解剖し胃腸の内容物を調べた。そのうち7個体でミヤコサワガニが、13個体でミヤコヒキガエルのオタマジャクシがそれぞれ確認された。両方を捕食していたのは3個体だった。

 ミヤコサワガニは宮古島の4カ所の湧き水と周辺の水路にのみ生息し、個体数はきわめて少なく、環境省のレッドリストでも絶滅危惧1類に指定されている。ハブが生息していないことなどから、同島はかつて海面下に水没し、その後他の陸地とは一度も陸続きになっていないと考えられていたが、藤田氏によれば、海水中では生息できないサワガニ類の存在はその考えと矛盾するという。

 希少種という重要性ばかりでなく、「宮古の古地理や生物相を再考する重要な鍵になっている。捕食されたものの中にはふ化直後のものも含まれており、絶滅の懸念は深刻なものになっている」と、ヤエヤマイシガメの駆除も含めた早急な保全対策を求めた。

 また、藤田氏は宮古島市指定天然記念物の島尻マングローブ林で、西表島と小浜島のみに分布していたキバウミニナを多数確認できたと沖縄生物学会誌に発表した。「島に本来生息していない生物を不用意に持ち込むと生態系を破壊してしまう」と警鐘を鳴らしている。