ごった返すお祭り会場で妙な拾い物をした。突然の大雨から逃げる時に、誰かがうっかり路上に落としたのだろう。金魚すくいで取ったと思われる金魚が10匹ほど、水も残っていないビニール袋の中でぐったりしていた

▼放置するわけにもいかないので家に持ち帰り、水槽やポンプをそろえた。しばらくすると元気になり、金魚すくいならぬ「金魚救い」になったか-と胸をなで下ろしたのもつかの間、彼らの体がぐんぐん巨大化していくのである

▼体長2~3センチだったのが、数週間で倍に。環境次第で15~20センチに成長し、繁殖もするというから、さあ大変

▼ペットショップでは引き取りを断られてしまった。人工的につくり出された金魚はもともと自然界に存在せず、川に放流もできない。外来種の扱いは難しい

▼中でも生態系などに被害を与えかねない「特定外来生物」は、法律で運搬や保管が規制されている。普天間飛行場代替施設の建設に伴って県外から調達する埋め立て用土砂にも、攻撃性の強いアルゼンチンアリ混入の可能性が浮上している

▼結局、わが家の金魚はもらい手が見つかって一件落着。しかしこのアリにもらい手はない。国は環境省の手引きを基に防除すると説明するが、10トントラック3百万台分以上という膨大な土砂量の前ではむなしく響く。(鈴木実)