【平安名純代・米国特約記者】米海軍が東部バージニア、ノースカロライナ両州で計画していた遠隔地訓練場(OLF)設置計画を凍結していたことが11日までに分かった。予定地周辺の住民や環境団体などは2003年、騒音増加や生態系への悪影響などを理由に、計画の差し止めを求めた訴訟で勝利したが、海軍は08年に候補地を5カ所に増やした環境影響評価(アセスメント)の実施を発表。しかし、米議会が課した法規制の条件などを満たせなかったことから、事実上の白紙撤回へ追い込まれた。

遠隔地訓練場(OLF)候補地

 OLF計画とは、タッチ・アンド・ゴーを繰り返す陸上離着陸訓練(FCLP)を代替地に移転させるもの。

 海軍当局は本紙に対し「OLFの必要性は、17年以降にあらためて見直す。当面は、フェントレス補助飛行場で訓練を継続する」などと説明した。

 海軍は、バージニア州オシアナ海軍航空基地近くのフェントレス補助飛行場をFCLP専用にしていたが、周辺地区の人口増加に伴い騒音被害が問題化。

 これを受け、03年にノースカロライナ州北東部に遠隔地訓練場を設置し、訓練を移転する計画を立案した。

 しかし、地元住民や自治体、環境保護団体が強く反対し、計画の差し止めを求めて海軍を提訴。地方、控訴裁判所でそれぞれ「海軍が環境影響評価の手続きで厳密な評価を怠った」などの理由で勝訴した。

 これを受け、海軍は08年、オシアナ基地近くのバージニア州内2カ所とノースカロライナ州内3カ所の計5カ所を候補地に選んだ環境影響評価準備書(DEIS)を公表。

 しかし、司法の判断や地元住民らの反対を受け、米議会が国防権限法に盛り込んだ条項などを満たすことができず、11年に凍結。先月19日に計画の再凍結を発表した。

 ケイ・ヘイガン上院議員(民主、ノースカロライナ州選出)は、海軍の決定を歓迎した上で「今後も議会で後押しを継続していく」と意欲を示した。