久米島町はNEC(日本電気)、デンソーと連携し、来年4月から高精度な位置情報を発信する準天頂衛星を活用した電気自動車の自動走行システム「久米モビ」の実証実験を始める。久米島本島の東側にある奥武島に設置されるコントロールセンターが、衛星からの位置情報などを基に車両の経路計画や通行管制を行う。将来的には観光客や高齢者の移動手段として活用したい考え。コントロールセンター制御による自動走行の実証実験は世界的にも例がないという。

センター制御による自動走行システムのイメージ

 平良朝幸町長、NECの高坂資博パブリックビジネスユニット理事、田中龍幸企業ネットワーク事業部営業推進部長、曽我広志電波応用事業部準天頂衛星システム室プロジェクトディレクター、デンソーの隈部肇走行安全事業部担当部長が12日、県庁で会見した。

 「久米モビ」の実証実験では、利用者がスマートフォンなどの端末で車両を呼び出すと、管制センターの指示を受けた車両が自動で現地まで行き、目的地まで運ぶなどの技術の確立・実用化を目指している。各自動車メーカーが取り組んでいる車両自律型の自動運転システムに比べ、個々の車両に搭載するシステムがコンパクト化でき、コストも低く抑えられるという。

 コントロールセンターは奥武島の海洋深層水のスパ施設・バーデハウス内に設置。車両や道路に配置した通信機を通して情報収集し、車両の自動走行のための経路計画や通行管制、充電管理、遠隔監視を担う。

 車両はトヨタ車体社製の1人乗り電気自動車コムスを改造して使用。準天頂衛星からの位置情報を受け取るロケーターのほか、地上情報を収集・処理する画像センサー、情報処理システムを備え、障害物を避けながら移動できるという。

 実証実験は3段階。2014年4~9月にかけ、奥武島の町道、農道約2キロのエリアで車両2台を走らせる。同年10月~16年3月は奥武島・ビーチ漁港連絡公道で12台、16年4月~18年3月は町役場周辺までエリアを広げ、計30台で検証を行う。駐車場や充電器の整備も併せて取り組む。

 平良町長は「最先端技術の実証フィールドを提供することで、新たな産業集積や観光客の誘致、子どもたちの夢を育てる一助にしたい」と期待した。