県が2020年の供用開始を目指し建設を計画している大型MICE(国際会議や企業の報奨旅行など)施設をめぐり、県内市町村の誘致合戦が加速している。既に県へ誘致を直訴した与那原町・西原町、那覇市、宜野湾市、豊見城市に加え、浦添市も今月、市議会で誘致方針を決議した。一部関係者の間では、ニーズの多様化に対応するため沖縄コンベンションセンターに隣接させるという案で、宜野湾市が一歩優勢との見方もあるが、県はあくまで「現段階での立地選定は白紙」の姿勢。最終決定は本年度末ごろになる見込みだ。(松田麗香)

MICE施設の誘致場所と主なPR点

 県は2000年の九州・沖縄サミットをきっかけにMICE誘致を進めてきたが、県内のMICE施設は約5千人収容の沖縄コンベンションセンターが最大で、新たな需要創出のため機能や規模を拡大した施設の必要性が観光関係者などから指摘されていた。

 県は12年度に、大型MICE施設のあり方を調査。建設地選定の優先事項に(1)ホテルや商業施設など周辺地域の産業集積(2)那覇空港から30分圏内の立地-などを挙げ、基本構想の策定に乗り出した。ことし8月に仲井真弘多県知事が「2万人規模の大型施設が必要」と発言したことで、9月以降、自治体による誘致活動が本格化した。

 要請1番手の与那原町・西原町は、東海岸地域の市町村との連携や周辺施設の充実をPR。唯一、住民大会を開催したほか、来月には誘致活動を担う青年実行委員会を設立するなど、町を挙げての活動に熱が入る。空と海の玄関口を抱える那覇市は交通アクセスの優位性を強調。首里城などの観光地や商業施設の多さもアピールする。

 既にMICE受け入れの実績を重ねる宜野湾市は、県と協力し開発を進める西海岸地域開発計画と絡めてポテンシャルの高さを訴える。ビーチや医療施設、体育館などを整備する豊見城市は、アフターコンベンションの充実が売り。建設後の運営システムも複数提案し、維持管理対策にも備えている。

 所管の県観光振興課は、学識者や観光業界の関係者で構成する有識者委員会を本年度内に4回開き、機能や運営手法、場所選定のための評価基準などの基本構想を固める考え。これを受け、本年度末以降に県が場所を最終決定する。建設着工は再来年度以降になる見込みだ。

 [ことば]MICE(マイス) Meeting(会議)、Incentive tour(報奨旅行)、Convention・Conference(大会)、Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語。大人数が参加し、消費額が大きいビジネス旅行を指す。MICE施設とは、MICEの受け入れに特化した施設のこと。