「石破茂幹事長が、琉球処分官に見えた。沖縄の国会議員をテレビでさらしものにした。胸がかきむしられるような思いだった」

「知事は後世の歴史に誇れる判断をしてほしい」と話す金城勉さん=県議会の居室

 11月25日。自民党の石破幹事長が東京の党本部で開いた記者会見の映像に、衝撃を受けた。

 県関係の自民国会議員5人を横に従え、普天間飛行場の辺野古移設を5人が容認したことをアピールしていた。

 自民と連立与党を組む公明党の県本部で幹事長を務める。

 「仲井真弘多知事に県外移設を貫いてほしい」-。この一心で9月、県本内に基地問題に関するプロジェクトチーム(PT)を立ち上げ、座長に就いた。

 米軍に治外法権的な権限を認めた日米地位協定を締結し、一度も改定をせず対米追従を繰り返すいびつな日本の外交に主権国家の在り方を問い掛ける。

 政府が繰り返す在沖米海兵隊の「抑止力」「地理的優位性」の欺瞞(ぎまん)と、「辺野古移設が実現しなければ普天間飛行場は宜野湾市に固定化される」という恫喝(どうかつ)を絡めた世論誘導にも反論した。

 PTがまとめた提言書は普天間返還問題にとどまらず、過重な基地負担を背負う沖縄が日米安保体制の矛盾を中央に突きつけた「異議申立書」でもある。

 「8割前後の県民が県外移設を求めている。なぜ県外か、なぜ辺野古は駄目なのか。徹底的に理論構築をした。固定化は県民のせいではない。政治の不作為だ」。県議会で自身の訴えを「魂の叫び」と表現した。

 うるま市具志川出身。多感な10代から、基地あるがゆえの理不尽な体験が、肌感覚として刻み込まれた。

 前原高校に在学中、同じ高校の女子生徒が通学路で米兵にサトウキビ畑に連れ込まれ、乱暴された。校庭で学生集会に参加し、怒りに震えながらシュプレヒコールのこぶしをあげた。

 琉球大学を受験した前日に、コザ騒動が起きた。受験会場に向かうバスから、横転して黒こげになった黄ナンバーの米軍車両が連なる光景を見た。市民の怒りのすさまじさにぼうぜんとした。

 「県民は常に危険と隣り合わせだと、私は身に染みて知っている。それは今の私のエネルギーでもある」

 年内にも埋め立て申請の可否判断を示す知事に、不承認とするよう踏み込んだ提言もした。知事に対して、こう思う。「県本の提言は県民の思いの代弁だ。歴史に誇れる判断をしてほしい」(政経部・吉田央)=随時掲載