【糸満】元ひめゆり学徒(証言員)16人の沖縄戦体験をもとに描いた「絵で見るひめゆりの証言」が16日、糸満市伊原のひめゆり平和祈念資料館で始まった。来年3月31日まで。島袋淑子館長は「悲惨な戦争の実態を知り、平和の尊さを考えるきっかけにしてほしい」と述べた。

開会式で、テープカットをする(前列左から)島袋淑子館長、本村ツル理事長ら=16日午前、糸満市伊原・ひめゆり平和祈念資料館

 同企画は「戦争の残酷さや恐ろしさを次世代に残し伝えるため、証言員たちの記憶を絵にしたい」という同館職員の提案で実現。元学徒16人の記憶に刻まれた場面を、イラストレーターの三田圭介さんと美術作家の海津研さんが、約9カ月かけて描いた。下絵を含めて53枚を展示している。

 壕の中で「私はいいから、他の人をみてあげて」と言って息をひきとった元学徒の様子など、戦争で追い詰められていった恐怖の記憶が描き出されている。友人や遺族に申し訳ないという気持ちから、無残に亡くなった友人たちをどうしても絵にできない-と断った証言員もいたという。

 ひめゆり平和祈念財団の本村ツル理事長(88)は「証言員も80代後半。あと何年、活動を続けられるか分からない。気力、体力を振り絞り、平和の尊さを伝え続けていきたい」と話した。

 問い合わせは同資料館。電話098(997)2100。年中無休で午前9時~午後5時半。