【平安名純代・米国特約記者】米下院は12日、在沖米海兵隊のグアム移転計画の関連予算を盛り込んだ2014年米会計年度(13年10月~14年9月)国防権限法案を可決した。近く上院でも可決、成立する見通しだが、グアムで海兵隊の受け入れ工事が本格化するのは、基本計画書(マスタープラン)が提出される18年以降との見方が高まっている。

 レビン上院軍事委員長は本紙に対し、議会がこれまで要求してきたマスタープランやアジア太平洋地域における海兵隊再編計画書の提出を継続して盛り込んだと指摘。「われわれの要求を満たさない計画に予算はつけられない」と述べ、米軍普天間飛行場の代替施設建設計画についても見直す姿勢を堅持した。

 マスタープランの策定が難航している理由について国防総省筋は「実弾射撃場の予定地が決まらないため」と説明。グアム地元紙は、実弾射撃場の建設に関する補足的環境影響評価(SEIS)素案の公表予定が「14年早期」と法案に記述されている点を注視。「アセスの結果が計画全体を左右する」との見方を伝えた。

 同法案で計上された約8600万ドル(約89億円)は、グアムのアンダーセン空軍基地の航空機格納庫整備費で、第1海兵隊航空団の航空機訓練移転(ATR)の支援が目的。計上の理由について、「移転計画の進捗(しんちょく)状況にかかわらず、海軍が軍事的価値があるとの判断に基づいた」などとの注釈が付された。

 アンダーセン空軍基地の施設改修費として、日本が過去に拠出した約1億1400万ドル(約118億円)の凍結解除を認める文言も盛り込まれたが、条件にマスタープランが義務づけられている。

 米軍準機関紙「星条旗新聞」は「議会がグアム移転費の支出を制限」と計画が前進する見通しについて否定的な見方を伝えた。