那覇市が2012年度に把握した市内の生活保護費の不正受給が241件、計約1億1500万円に上ることが17日、市保護管理課のまとめで分かった。同課は「一部の不正が、本当に保護を必要とし適切に受給している受給者や同制度に対する不信感を生んでしまう。調査を徹底し、悪質な場合は厳正に対処したい」と強調した。

 同課によると、12年度の不正受給約1億1500万円の主な内訳は(1)収入の無申告113件(約3700万円)(2)年金や児童扶養手当などの無申告(約2900万円)(3)収入の過少申告(約370万円)-だった。うち徴収できたのは、約1500万円(全体の約10%)にとどまった。

 不正受給の多くは借金返済や生活費などに充てられ、保護世帯の苦しい経済事情が浮き彫りとなった。中には「車を買ったり、少しぜいたくしたかった」と話す受給者もいたという。不正受給件数は年々増加しており、10年度は185件、11年度は207件だった。

 一方で、一部の不正が全体に与える影響を懸念する声もある。沖縄大学福祉文化学科の島村聡准教授は「一部の不正の影響で、ケースワーカーが受給者のチェックに走るあまり、より良い生活を送るための指導が手薄になる不安要素もある。全体のほんのわずかの不正が制度を厳格化し、本来は受給すべき人まで切り捨てられてはいけない」と指摘した。