飼料価格の高騰で、県内酪農家の経営が逼迫(ひっぱく)していることを受け、県酪農農業協同組合(新里重夫組合長)と県内乳業メーカー3社は18日、来年2月1日から生乳の買い取り価格を1キログラム(約1リットル)当たり3円値上げすることで同意した。今後、各メーカーは小売価格への転嫁に向け、県内量販店との交渉を始める。

 県酪農農業組合の幹部は「沖縄は酪農家がずっと減り続け、大変厳しい状態にある。消費者の理解を得られればありがたい」と話している。

 同組合によると、牛乳の小売価格はこの10年、ほぼ横ばいなのに比べて、配合飼料は約6割、生草や乾草などの粗飼料は約8割上昇している。

 急激な円安の進行や主要産地の不作で4月以降、飼料代は2008年の原油・原材料価格の高騰時を上回る価格で推移。赤字に陥る農家が出たことから、組合は買い取り価格の引き上げを求め、沖縄明治乳業、沖縄森永乳業、宮平乳業の3社と、6月から交渉を重ねてきた。

 今回の同意を受け、県内メーカーは量販店に牛乳の小売価格への転嫁を交渉する。あるメーカーは「値上げ分をそのまま自己負担すれば、今度はこちらの経営が厳しくなる。量販店には適正な価格設定をお願いしたい」と話す。

 一方、牛乳の小売価格は08年の高騰時に県内生産農家の要請を受けて、量販店が946ミリリットルパックの価格を10~30円値上げしたことがある。だが、メーカーの担当者は「値上げ後、消費者の買い控えで、3カ月から半年で量販店が小売価格を元に戻し、メーカーがすべて負担した。値上げには消費者の理解も必要になる」と語る。

 県内量販店の担当者は、円安の影響で原材料価格が上昇し、卵や小麦粉なども値上げが相次いでいるとし「消費者は状況を理解しており、受け入れる可能性は高い」と一定の理解を示す。

 一方で、小売業界は競争が激化しているとし「牛乳は特売品にもなる注目商品。うちだけ値上げすると、客が離れてしまう恐れがある。他社の出方も踏まえ、価格設定の判断は慎重にならざるを得ない」と、他社の動向を注視する考えだ。